2009年3月18日 (水)

しもだて美術館「ジュディ・オング倩玉 木版画の世界展」

 大ヒット曲「魅せられて」で有名なジュディ・オングさん。
 実は、この曲のヒットより早く版画を始め、今やキャリア30年以上のベテランの版画家でもあるのです。
 不勉強にも、私はそのことを今回の展覧会で初めて知りました。


Ks090316 入ってすぐに、迫力ある白黒の大作が目に飛び込んできます。
 1975年に日本板画院展に入選した「店蔵」と、翌年の入選作「町屋」です。

 いかにも木版画らしい、明快で力強い線は、モノクロ切り絵の手本にしたいほどでした。

 以前から「木版画の表現は、切り絵に通じるものがある」と感じていましたが、その正体が何なのか、はっきりと分かりませんでした。
 しかし、「店蔵」と「町屋」を見て、はたと気づいたのです。

 どちらも、刃物によって生み出される表現であるということに。

 この気付きを得られただけでも、大きな収穫でした。

続きを読む "しもだて美術館「ジュディ・オング倩玉 木版画の世界展」" »

2009年3月 7日 (土)

千葉三越「切り絵師・俊寛展」

 小説執筆にかまけてこちらをあんまりほったらかしにしておくのもなんなので、「展覧会レビュー」カテゴリを新たに作り、見に行った美術展の感想もこちらで書くことにしました。
 紹介する展覧会のジャンルは切り絵に限りませんが、「切り絵制作に役立ちそうなこと」という視点で書いていきたいと思っています。


Ks090307 記念すべき第1回の記事は、私の憧れ作家の一人である、俊寛さんの個展。

 切り絵師・俊寛展

 三越7Fの特選画廊のこじんまりとしたスペースの入り口に1m四方近い大作が飾られ、一目でぐっと惹かれます。
 大作「職人シリーズ」が9点、小品「風景シリーズ」が12点。それぞれ見応えがありました。

 行った日は雨で、お客さんも少なかったので、俊寛さんに詳しいお話をいろいろ聞くことができました。
 制作過程のかなり具体的なところとか、切り絵を売り込む上での苦労話とか。

 その流れで得た本展一番の収穫は、なかなか見ることのできない、作品の裏面を見せてもらえたこと。
「エアブラシで彩色した紙を、裏側から貼り付ける」という方法で彩色を行っていることは俊寛さんのブログで書かれてる通りなんですが、その、想像以上の仕事の細かさに圧倒されます。
 一番小さいパーツなんか、マイクロチップ並の大きさなんですよ。ため息ついただけで飛んでっちゃうよ!

 ブログの文章通り、真面目で穏やかな俊寛さんからためになるお話をいっぱい聞けて、いい展覧会でした。

続きを読む "千葉三越「切り絵師・俊寛展」" »

2009年1月 1日 (木)

あけましておめでとうございます2009

 あけましておめでとうございます。

 月一の展覧会情報すら更新できないありさまで、読者の皆様にはご心配をおかけして申し訳ございません。
 多分、本年いっぱいこの状況になりそうですので、コメント・トラックバックを承認制にさせていただきます。

 実は昨年9月から、長編小説の執筆に取り組んでおりまして、切り絵制作にエネルギーを割けない状況です。一応今年中の完結を目指しているのですが、どうなることやら……。
 それでも、もう少し心にゆとりを持って、気分転換にでも切り絵が作れればと思っております。夏休みの宿題も残ってることだし。

 こんな状況ではありますが、本年もよろしくお願いいたします。

2008年9月28日 (日)

オススメ切り絵技法書

 ちょっと他にやりたいことができてそちらに大変なエネルギーを費やしそうなので、今年度いっぱい展覧会情報以外の更新が滞ります。スミマセン。

 切り絵によらず、最近は技法系のサイトがたくさんあって技法書がなくても何とかなることが多いのですが、それでも1冊指針となるようなものがあった方が便利です。
 私がこれまでに参考にしてきた切り絵の技法書を、購入順にちょっとしたレビュー付きでご紹介します。


 

Book最新 切り絵教室―だれでもできる


著者:成田 一徹

販売元:誠文堂新光社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 私が切り絵を始める時に参考にした本です。著者の繊細でシャープなモノクロ作品に惹かれました。
 一応、切り方とカラー作品の彩色方法は載っていますが、基本的には「切る技術」の向上に重点が置かれています。個々の作例ごとに、切る時に注意するポイントが紹介されています。
 初心者への導入にはまずまず、ちょっと慣れてくると物足りなくなるかも。

これからの剪画テクニック―切り絵の上達法Bookこれからの剪画テクニック―切り絵の上達法

著者:石田 良介
販売元:日貿出版社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 もともとそれなりに絵心があって、切り絵に慣れてきた人にはこちらがオススメ。
 「切る」「色をつける」「貼る」といった仕上げにも丁寧な解説があるほか、一番大事だけど切り絵ではなぜか見過ごされがちな「下絵の作り方」にもしっかりとした言及がなされています。「構図の基本」とか「配色の基本」はぜひ覚えておきたいですね。
 メインで採用している彩色法が、半透明の素材(絹布や薄い和紙など)に主線を貼って、裏から絵の具を塗るというのが珍しかったです。お金かかりそうなのでちょっと真似できないな。

 

きりえ全科Bookきりえ全科


販売元:誠文堂新光社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 一応初心者向けの道具やごく初歩の技法にも触れられていますが、それよりも、複数の作者の作例と技法が学べるのが本書の最大の特徴。
 着想段階からの制作過程、作例と下絵の比較なんかは、私のように「他の人がどうやってるのか知りたい!」という欲求の強い人には大きな価値があるのではないでしょうか。
 初心者に1冊だけ勧められるとしたら、本書を推します。3600円とお値段は張りますが、それだけ内容も充実しています。
 

2008年9月 1日 (月)

切り絵展情報 08年9-10月

9/11 1件追加

東日本
9/21-10/5
気まま猫展・其の四
群馬県前橋市 煥乎堂本店

10/17-10/22
第四回 全国切り絵同好会会員展
神奈川県横浜市 横浜教育文化センター横浜市民ギャラリー

10/18-10/26
百鬼丸の切り絵展
群馬県大泉町 文化むら展示ホール

10/20-10/25
見森昭・畫間勝子・舟山隆太郎・馬場哲弥 四人展
東京都墨田区両国 日本きりえ協会展示コーナー

10/28-11/30
百鬼丸個展
埼玉県小川町 埼玉伝統工芸会館


東海
9/4-9/19
2008年 夏の納涼うちわ展
山梨県北杜市 篠尾郵便局ギャラリー

9/23-9/28
東海きりえ美術展
愛知県岡崎市 岡崎市美術館

2008年8月23日 (土)

大人が本気で取り組む夏休みの工作 1

 夏休みも残すところあと1週間となりましたね。

 お子様・お孫さんの夏休みの宿題はおすみでしょうか。工作に四苦八苦して、親御さんが手伝ってあげたりしているのではないでしょうか。
 最近は、説明書の通りに作るだけで見栄えのする作品ができる、夏休みの工作キットなんかもたくさん販売されています。
 小学生が対象ですからそんな手の込んだものはないのですが、ときどき大人でもやってみたくなるようなものもあったりします。

 Ks080823 コクヨ おもしろたんけん隊シリーズ たのしくステンド小物入れをつくろう!

 小学28年生(笑)の私が、売り場で心を鷲掴みにされてしまったのがこれ。

 黒い台紙を切り抜いて裏からセロハンを貼り、さらに裏から銀色の台紙を当てたものを、上下の枠にはめて円筒形の小物入れにします。

 出来上がり見本から想像がつくかと思いますが、制作工程はカラーの切り絵そのものです。

 小学生が作ってもそこそこ見栄えのするものが作れるんなら、大人が本気で作ったらすごいものができるんじゃないこれ?

 ……というわけで、34歳にもなって小学生向けの工作キットを組み立てるという、実に大人げない連載企画の始まりです。

 では、キットの中身を見てみましょう。

続きを読む "大人が本気で取り組む夏休みの工作 1" »

2008年8月22日 (金)

コピック譲ります

 おかげさまで引取先が見つかりました。ありがとうございました。

2008年8月21日 (木)

景王陽子(十二国記)

Ks080821

作品メモ
ジャンル:ファンアート(十二国記)
原画サイズ:21.0cm×29.5cm
主線紙:NTラシャ(赤)
背景紙;羊皮紙(ベージュ)?
台紙:ダイソー色画用紙(きんいろ)

続きを読む "景王陽子(十二国記)" »

2008年8月18日 (月)

『景王陽子』制作工程 4 背景仕上げ90%

Ks080818

 帰省をはさんで、ここまで切り進めました。

 切るための下絵は、制作工程2で作ったカラーコピーベースの下絵を、モノクロコピーしています。
 切る・貼る各段階で失敗した時にやり直せるよう、下絵はコピーして使っています。

2008年8月11日 (月)

『景王陽子』制作過程 3 背景仕上げ40%

Ks080811

 長らく後回しにされていた『景王陽子』、ようやく再開です。

 写真は背景の格子模様を途中まで切り進めたものを、裏側からスキャンしたものです。これで全体の40%くらいかな?

 本場の剪紙ほどは細かくないのですが、それでも残す部分が細いわ手数が多いわで、「ちょっとやりすぎたかな」と後悔しながらの作業です。
 完成させることに意義がある! そう思って頑張ってます。

«『月下美人』制作工程 8 目的別の加工

このブログについて

  • 連絡先
    情報提供・お問い合わせは、コメントもしくは下記メールフォームからどうぞ。
    メールフォーム
  • ブログ説明
    2000年に切り絵制作を始めて、2008年からもうちょっと真面目に取り組んでみようかと思い立った渡辺天和斎が、作品(ファンアート含む)と技法実験のたたき台を公開しています。

    また、切り絵に興味を持たれた方のために、切り絵展や手に入りやすい道具の情報も発信してゆきます。

その他のリンク

無料ブログはココログ